ヘアアイロンを使うと、どうしても髪が傷んでしまうイメージがありますよね。ダメージを抑えながら、理想のスタイリングを叶えたい!という方のために、今回は人気美容室「joemi by Un ami(ジョエミバイアンアミ)」のスタイリスト高垣紅葉さんに、ダメージを抑えてワンランク上のスタイリングを叶えるコツを教えていただきました。
ヘアアイロンを使っても、毛先のハネが直らないこと、ありませんか?実は、毛先のハネは、根元のクセが原因で起こるもの。そのため、カールアイロンで毛先だけクセを直そうとしてもまたハネてしまいます。
そんなときは、ドライヤーを根元にしっかり当てて、先にクセを取ってからヘアアイロンを使いましょう。朝からドライヤーをかける時間がない方は、前日の夜にブローをしてクセを取っておくことが重要です。
ヘアアイロン前にオイルなどのスタイリング剤をつけようとする方も多いですが、基本的には使わないでください。油分のついた髪に熱を与えるということは、髪を高温の油で揚げている状態と同じです。
ヘアアイロン前にオイルをつけたいときには、リファロックオイルなど、専用のオイルを選んでください。ヘアアイロン前の専用オイルは、熱から髪を守りながら、セットしたスタイルをキープしてくれるのでおすすめですよ。
スタイリング剤を手のひらにとって、すぐに髪につけてしまうと、ムラになったり、外側ばかりベタついてしまいがち。スタイリング剤をつけるときのポイントは、指の間まで手のひら全体に伸ばしてからつけること。手ぐしを通すように内側から塗布し、毛先、表面の順でつけていくと均等にオイルがつけられますよ。
カールアイロンで髪のツヤを出すコツは、カールアイロンで挟みきらない程度に髪を軽く挟んで、滑らせること。これはスルーと呼ばれるテクニックで、キューティクルが閉じ、髪にツヤが出るんです。しっかり挟んでしまうと形がついてしまうので、クリップを軽く開いて、髪にプレートが触れるくらいの挟み具合が理想です。
美容室では、ブローで事前にツヤを出してからスタイリングの際にアイロンを使用しますが、なかなか自宅でのブローでツヤを出すのは難しいかと思います。
数回スルーしてから、カールアイロンで本格的に形をつけると、髪に熱も伝わりやすくなり、ツヤのある仕上がりになりますよ。
ヘアアイロンを使用するときは、約140~180度の高すぎない温度がおすすめです。ヘアアイロンで髪が傷む大きな原因は「熱」。高い温度でヘアアイロンを頻繁に使用すると、ダメージがどんどん進んでしまいます。
特に、ブリーチやカラーなどで髪が傷んでいる方は、約160度までの温度に設定するのがおすすめです。
ヘアアイロンを使ってスタイリングをしたのに、時間が経つと崩れてしまうことはありませんか?それは、ヘアアイロンを使用する際に髪に必要な熱が伝わりきっていないことが原因かもしれません。
なるべく低い温度で、スタイリングに必要な熱を与えるには、ヘアアイロンの前にブロッキングをしておくことがポイントです。崩れるのが不安でつい温度を上げてしまう方も多いですが、どれだけ高温にしても、毛束が厚かったり量が多かったりすると、内側の髪まで熱がうまく伝わりません。結局ダメージが強く出てしまったり、スタイルにもムラができてしまいます。
ダメージを抑えて、きれいなスタイルをつくりたいなら、急がば回れ。ブロッキングをきちんとして、ヘアアイロンで挟む毛束を薄く適量にすることで、均等に熱が伝わり、しっかりスタイルをキープすることができます。
カールアイロン前にブロッキングをするなら、耳より前は上下で半分、後ろは髪の量が多いので3等分に分けるのがおすすめです。クリップがない場合は、ゴムを使ってハーフアップにするだけでもOKです。
ちゃんとブロッキングすれば、毛束の量は自然とちょうど良くなりますよ。特に時間がなくて急いでいるときこそ、ブロッキングをすることで、短時間でキレイな仕上がりが叶います。
カールアイロンを髪に当てるときは、3秒以内にとどめることが理想です。長い時間、カールアイロンを髪に当てていると、低い温度でもダメージを進行させてしまいます。
髪は、冷めることでつけた形が定着します。特に、カールアイロンで巻いたあとは、すぐに崩さず冷めるまで形をキープしておくようにしましょう。
おさらいすると、数回スルーし、髪にツヤを出してから形づけを行い、必ず3秒以内に髪からカールアイロンを離すことを守ると、ダメージを抑えながら理想のスタイリングができる、ということなんです。
朝のヘアセットの時間を短縮したい方は、肩までの長さ(ロブ丈)のヘアスタイルをおすすめしています。髪が肩にあたることで自然と外ハネになりますよ。
また、オイル系のスタイリング剤を使うと、しっとりとした仕上がりになるので、簡単におしゃれに見せることができます。
軽くヘアアイロンを通すだけでも、髪がまとまりやすくなるので、よりスタイリング感が欲しい方は、表面をヘアアイロンで簡単にスルーしてあげるのもおすすめです。
朝の準備の時間をさらに短縮するなら、夜のうちにしっかりブローするのがおすすめです。また、摩擦を抑えられるシルクのナイトキャップや枕カバーを使用すると髪のダメージがグッと抑えられます。
さらに、寝る前にヘアミルクをつけることで静電気が防げたり、寝グセがつきにくくなります。夜のひと工夫が朝の手間を抑えるポイントになりますよ。
ヘアアイロンは、ちょっとした工夫をしてあげれば、ダメージを抑えながら理想のスタイルをつくれる強い味方です。ちゃんとブロッキングして、適切な毛束を取り、低温で巻くのが鉄則。ひと手間を加えておくことにより、質感や印象も変えられるので、ダメージを抑えながら、好みのスタイルを楽しみましょう。
スタイリング剤は髪の熱を冷ましてから
スタイルを長持ちさせるには、髪を形づけした状態で冷ますことがポイントです。髪を巻き終わったら、熱が冷めるまで待ち、手ぐしでほぐしながら手に馴染ませたスタイリング剤をつけましょう。
ヘアアイロンを通した直後に崩して形を整えたくなりますが、冷めるまで崩すのをグッと我慢すると、理想のスタイルが長持ちしますよ。